その名の通り、うんちを別の人の腸内に移植することです。
腸内細菌叢移植(Fecal Microbiota Transplantation: FMT)とも言われています。
これは、この病気の人の腸内細菌は多様性が低下しており、健康な人の腸内細菌とは異なることから始まっています。
他人のうんちを移植すると聞くとびっくりしちゃいますよね。
しかし、ただうんちを投与して健康な腸内細菌が来ても、宿主の腸内細菌が棲んでいるのでなかなか定着してくれません。
そこで、まず抗生物質を投与して、宿主の腸内細菌を減らしてから、健康なうんちをいれることで定着しやすい状態にします。
うんちを提供してくれる人も大切だそうで、患者の近親者、特に年齢差も10歳未満がよいらしく、親よりも兄弟の方が腸内細菌の定着が良いらしいです。
現在、一定の効果が示されているのは、再発性Clostridium difficile関連腸炎やクローン病、潰瘍性大腸炎などの消化管系の疾患のみですが、腸内細菌があらゆる病気と関係があることがわかってきているので、今後多くの病気についても検討されそうです。
アメリカではすでに「便バンク」という名の健康なうんちを提供するビジネスが行われています。
将来的には健康なうんちは高く売れるかもしれません!!
ただ、うんちといえども移植ですから、自分ではない異物が体内に入ることになります。特に腸内細菌を移植したいのでうんちを滅菌処理もできないため、感染症など気をつけなくていけない課題などもあります。
今はまだ臨床研究段階とのことで、今後の研究に期待しましょう。