ミルク抗体とはミルク(牛乳)に含まれる抗体のことです。
牛乳とくに出産直後の初乳には抗体が豊富に含まれていますが、これは母親ウシが子に免疫を与えるためです。
ウシの子はほぼ免疫がない状態で生まれてきますが、この初乳を飲むことで自身の免疫を獲得していくのです。
そのため、ミルク抗体にはいろんな種類の抗体が含まれており、その中にはヒトにとって病原菌である菌に対する抗体も含まれていて、それらの増殖を抑えることができます。
低下した免疫を補助
私たちの身体の免疫細胞の7割は腸に集まっています。
また、腸管の粘膜にはIgAという抗体が豊富に存在しています。
これは、食物を食べて体内に取り込む臓器であるため、外から病原菌が体内に侵入してくるリスクがあるからです。
免疫が正常に動いている場合は、多少の病原菌が腸に入ってきても免疫細胞やIgAにより無毒化してくれます。
しかし、これらの免疫細胞やIgAは加齢やストレスなどの要因により減ってしまいます。
ミルク抗体を摂取すると、腸内で代わりに病原菌を無毒化排泄してくれます。
ミルク抗体を摂取するには?
日本では、出産後5日までのウシ初乳を商品にはしてはいけないと決められており(乳及び乳製品の成分規格等に関す省令別表2)なかなか日常的に飲むことはできません。
もちろん普通の牛乳にも抗体は含まれていますが、初乳に比べるととても微量です。
さらに普段スーパーで並んでいる牛乳は高温での殺菌がおこなわれているため、熱に弱い抗体は壊れて働きを失っています。
そこで牛乳から作られる乳製品の中に抗体成分を濃縮されているものはないかと調べたところ、チーズやヨーグルトを作る際にできる上澄み(ホエイ)の中に抗体成分があることがわかりました。
このホエイの水分をなくすと抗体成分が濃縮されます。
それが乳清タンパク(ホエイプロテイン)です。
このホエイプロテインを製造する際には、熱をかけすぎると抗体が壊れてしまうので、低温殺菌で行う必要があります。
なのでホエイプロテインすべてがこの抗体が豊富に含まれているというわけではないので注意です。